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京都駅ビルについて

設計コンセプト
平安京の街路網が、京都駅ビルの平面計画の基準となっています。

京都駅ビルは「京都は歴史への門である」という設計主旨から、平安京の都市の特徴である条坊制(碁盤の目)を取り入れ、玄関口としての象徴である「門」を烏丸通と室町通に配しています。
また、中央コンコースを谷に見立てた段丘を東西に延ばし、中央部はガラスと金属でカバーされたアトリウム。空を映し出した壮大な内部空間と空に溶け込む外観を作り出しています。
設計者

- 建設設計者
- 原 広司
- 略歴
- 1936(昭和11)年:川崎市生まれ
- 1959(昭和34)年:東京大学卒業
- 1964(昭和39)年:同大学大学院博士課程修了
東洋大学工学部建築学科助教授 - 1969(昭和44)年:東京大学生産技術研究所助教授
- 1970(昭和45)年:アトリエ・ファイ建築研究所と共同活動
- 1997(平成9) 年:東京大学名誉教授
- 主な作品
- ヤマト・インターナショナル
- 田崎美術館
- 梅田スカイビル
- 札幌ドーム
京都の条坊制のマトリックスの考え方を多目的デッキの空間分割のシステムとして用い、中央コンコースを核として段丘状に左右の空間に延びていく大胆な内部空間を展開するユニークな空間構成に特徴がある。全体を箱型のガラスと金属的な膜でカバーしている点が、従来の商業ビルの印象を与えるという指摘もあったが、一方で、表層的なデザインは京都の琳派の装飾性に富むデザイン感覚であること、そして何よりも内外をつなぐコンコースがユニークで大胆な空間になっていることなど、21世紀に向かう新しい空間のデザインを提案している点が評価された。
京都駅ビルの歴史
1877明治10年

初代駅舎は1877(明治10)年2月に建設された赤煉瓦のモダンな建物で、完成祝賀会には明治天皇も行幸されました。その建物は、「七条ステンショ」と呼ばれ親しまれ、現在よりやや北側、現駅前広場あたりに建っていました。
1914大正3年

その後、利用者の増大に伴い1914(大正3)年8月、大正天皇の京都での即位式に合わせて、ルネサンス式建築様式による総ヒノキ造り2階建ての2代目駅舎が、ほぼ現在の場所に建設されました。
この駅舎は1950(昭和25)年11月、失火により消失してしまいました。
1952昭和27年

そこで急きょ1952(昭和27)年3月に着工し、翌年5月、鉄筋コンクリート造りの2階建て(一部8階建て)の近代的な3代目駅舎が完成しました。
その後、新幹線や地下鉄も開通し、1980(昭和50)年代の中頃から駅舎の建て替えを望む声があがっていました。
1997平成9年

現在の京都駅ビルは京都駅舎としては4代目となります。
現在(4代目)
JR京都駅改築の経緯
京都府知事・京都市長・京都商工会議所会頭、駅改築について合意
京都市が国鉄に京都駅改築を要請
「平安建都1200年記念事業推進協議会」京都駅改築を関連事業に指定
京都駅改築協議会(京都府・京都市・京都商工会議所・国鉄)発足、基本理念を制定
京都駅改築基本構想決定
JR京都駅改築について国際的コンペを開催
コンペ審査にて原広司氏案が最優秀作品に決定
京都駅地区が特定街区に指定(高さ指定緩和)
12月 京都駅ビル建設工事着工
9月 関西国際空港の開港と共に京都CAT開業
7月12日 JR京都駅開業
8月9日 文化施設「シアター1200」開業
9月11日 京都駅ビルグランドオープン
10月10日「ブルネル賞」建築部門(新築大駅カテゴリー)受賞
1月1日「京都劇場」リニューアルオープン
11月1日「京都拉麺小路」開業
6月14日 東駐輪場開業
3月16日 京都総合観光案内所(京なび)開業
11月17日 大階段グラフィカル・イルミネーション運用開始
3月26日 「京都環境賞(企業活動賞)」受賞 (京都駅ビル環境共生推進プロジェクト)
11月30日 「生物多様性アクション大賞2014」入賞 (京都駅ビル環境共生推進プロジェクト)
12月19日 京都市地球環境温暖化対策条例に基づく優良事業者表彰
3月31日 京都駅ビル防災設備更新工事竣工
11月3日 「平成27年度優良消防用設備等消防長官表彰」受賞(防災設備更新工事)
8月10日 熱源空調設備更新工事竣工
2月7日「京環境配慮建築物優良賞」受賞